こんにちは!めもりです!
今回はアクチュアリー1次試験損保数理の勉強法について書きました。私は現在、数学、損保、生保、KKTに合格しています。
損保数理は計算量が膨大で、なおかつ内容が難解なので一次試験の中でも最も難しいと言われる科目です。私も損保数理と年金数理が圧倒的に難しいと思います。
この記事では、私が実践した勉強方法、「もっとこうしておけばよかったなあ」と感じることを詳しく解説します。
「アクチュアリーに興味あるけどどう勉強したらいいの?」という人の参考になれば幸いです。
合格率や勉強時間は?
まず合格率と勉強時間の目安をおさらいしておきます。
- 合格率 約10〜20%
- 勉強時間 350時間
難易度は高く、数学の知識が必要となるので数学と一緒に受けたり、合格してから受けるのがセオリーとなっています。
ネットを見ると勉強時間は250〜300時間という人が多いですが、確実に受かりたいのであれば400時間くらい必要だと感じます。
人にもよると思いますが、暗記や計算の正確さ、スピードが必要になるので短時間の学習で受かるような試験ではありません。計算量に関しては数学よりも必要になると思います。
難易度や合格率について詳しく知りたい方はアクチュアリー・ゼミナールを参考にしてください。
勉強の流れ
私は以下の流れで学習を進めました。
- 例題で学ぶ損害保険数理を1周
- 合格へのストラテジー損保数理を1周
- 過去問を30年分
- 指定教科書で正誤問題の対策
順に解説していきます。
例題で学ぶ損害保険数理(第二版)を解く
勉強を開始したのは4月(大学三年次)くらいでした。まずネットでお勧めされていたこの問題集を一通り解きました。大学の講義の時間はほぼこの問題集をやっていた記憶があります笑
実際にやってみて数学の知識がなければ理解するのに大変苦労しただろうと感じました。
勉強量は4月から7月ごろまで1日1時間くらいだったと思います。
合格へのストラテジー 損保数理を解く
7月末にちょうど合格へのストラテジー損保数理が発売されたため、それから約2ヶ月はこの本を解きました。
必要な公式がまとまっており、説明も丁寧なので理解を深めることができました。覚えれそうな公式はすべて暗記しました。
試験問題を解くために必須の問題が詰まっており、基本となる力をつけることができたと思います。
自分が受ける年に発売されて運が良かった笑
過去問を約30年分解く
8月ごろからは少しずつ過去問にも取り組み始めました。後の科目も同様ですが、受かるために過去問は必須です。
平成28年度の過去問から解き始め、平成12年度分まで解きました。そのあと、平成23年〜28年の過去問をもう一度解きました。
そして試験二週間前に29年度の過去問を模試として解きました。(37点だった笑)
過去問を一通りやってみて、やはり新しい過去問の方が難易度が高いと感じました。
また、教科書が平成23年に改訂されているので、試験が近づいてきたらできる限り新しい過去問を解くことをお勧めします。
私の場合は模試をやってみて合格点に到底及ばなかったので最後の二週間死ぬ気で追い込みました笑
というか「合格は無理かなあ」とほぼ諦めかけていました….
最後の数ヶ月は1日2,3時間くらい勉強していたと思います。
指定教科書で正誤問題の対策をする
最後の2ヶ月くらいは正誤問題の対策もしました。
損保数理では正誤問題も数問出題されます。ですので教科書を読むのは必須でしょう。
私の場合は過去問で出てきたところをチェックし、その後問題として出題されそうな箇所をピックアップして暗記しました。
また、章末の演習問題も自分でいくつか選んで解きました。
おすすめ参考書
ではおすすめの参考書を紹介します。上から順におすすめです。
合格へのストラテジー 損保数理
これは間違いなく買った方がいいでしょう。損保数理は理解が大変難しくその中で良い参考書が少ないのが現状です。
その中で、試験合格のために覚えた方がいいこと、必須の問題がしっかりまとまっていて説明も比較的丁寧なので取り組みやすいと思います。これが解けずして合格はあり得ません。
また、勉強の進め方や試験の分析、合格者の体験談も書いてあるので学習が進めやすくなります。
合格へのストラテジーの年金、生保も利用しましたが、とてもわかりやすかったです。ただ誤植はあるので気をつけてください。
過去問に比べると難易度も高くなく、試験範囲を全てカバーしているので初学者が勉強を開始するのに最適な一冊だと思います。
例題で学ぶ損害保険数理 第二版
問題演習をする上で有効な本です。過去問と似たような問題も多くありますし、説明も比較的わかりやすいと思います。
ただ試験範囲を全てカバーしているわけではく、またそれに加えて試験では出題されない問題も入っています。
ストラテジーと目次を比べてみて、共通の範囲をやれば無駄なく学習できると思います。
そしてこちらも誤植が多いので、式変形がおかしいと思ったら飛ばしてしまうことも必要になってきます。
また、メルカリやアマゾンでは第一版も売られているので間違ってそちらを買わないように注意してください。
指定の教科書
指定の教科書は「損保数理」「モデリング」となっています。こちらはアクチュアリー会HPから購入できます。
「モデリング」に関しては数学と共通なので損保数理としては、そこまで勉強した記憶はありません。過去問に出てきたところを重点的にやればいいと思います。
教科書の「損保数理」は買うべきでしょう。正誤問題は教科書がないと対策できないからです。また私はほとんど取り組みませんでしたが、章末の演習問題もやるに越したことはありません。
いきなり教科書で勉強してしまうと全く理解できずやる気を失うので、ストラテジーや他の問題集で基礎の力をつけてから取り組むことをお勧めします。
試験を通して感じたこと
まず一番最初に感じたのは、暗記の重要性です。よく出る式や、計算方法は覚えれるだけ覚えた方が有利だと感じました。
この暗記に関しては便利なアプリがあるのでこちら(勉強のためのお勧めアプリ)を参照してみてください。
また、過去問の演習は必須です。これを解かずに合格はあり得ません。問題集では見ないような問題も出るので、必ず解くべきだと思います。
ただ、問題は全て理解する必要はありません。というか全て理解するのは不可能です笑
できるところをきっちり得点に結びつけて合格を目指すのが最も効率的だと思います。
最後に注意として、参考書には結構誤植があります。ですので理解できないところにはあまり時間を割かないようにしましょう。
「誤植があるかもしれない」という考えを頭の片隅に置いて学習を進めるといいと思います。
ストラテジーの誤植に関してはアクチュアリー研究会というサイト(無料登録が必要)が修正してくれているのでそちらを見るといいと思います。
今だったらどう勉強する?
今だったらまずストラテジーで基礎の力を身につけ、例題で学ぶ損害保険数理、指定教科書で問題演習をやりつつ、過去問を解きまくります。
そしてその中で出てきた公式や正誤問題はAnkiアプリを使って覚えます。時間がなかったら、ストラテジーだけやって過去問に取り組むと思います。
損保数理はとにかく問題演習を重ねて計算スピード、正確性を身につける必要がある科目なので、それなりの時間をかける必要があります。
問題演習に関してはアクチュアリー研究会のワークブック(過去問を分野ごとにまとめたもの 解答付き)というのも人気があるのでそちらで取り組んでみるのもいいと思います。
またアクチュアリー研究会では勉強会に参加したり、質問することもできるのでそういったものを利用するのもありだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
難易度は高いとはいえ、所詮試験です。何が起こるかわかりません。
私自身、試験前の模試が37点でしたが奇跡的に合格することができました。ベタですがどんな状況でも最後まであきらめないことの重要性を痛感しました。
損保数理は特に難解で、わからない問題は答えを見ても理解できません。
ですので繰り返しになりますが、わからない問題に時間をかけすぎないよう意識しておくといいと思います。
損保数理は一次試験において山場となる科目です。これに受かればだいぶ気持ちが楽になるので、できるだけ早い合格を目指しましょう!
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