こんにちは!めもりです!
今日はアクチュアリー2次試験の難しさについてつらつらと書こうと思います。
そもそもアクチュアリー試験は各科目の合格率が10〜30%程度で、合格まで8年程度かかると言われている試験です。
特に2次試験は合格率が高くても20%程度という鬼畜ぶりです笑
私は社会人として2〜3年程度、2次試験の勉強をしてきましたので、その経験を踏まえて難易度や試験勉強の向き合い方について思ったことを書こうと思います。
アクチュアリー2次試験の難しさ
まず、2次試験の合格率が低い要因について分析していきます。
ここでは年金の2次試験に焦点をあてて、2次試験の難易度を高くしている要因について列挙します。
- おもしろくない
- 仕事が忙しくなるのに加えて、ライフイベントが増える
- 法令の理解が難しく、実務の知識も問われる
- 試験範囲が膨大
その他も要因はあると思いますが、今回はこの4点について深堀りします。
2次試験の勉強がいかにおもしろくないか
ではまず、2次試験の勉強がいかに面白くないか解説していきます笑
年金の2次試験の勉強は基本的に法令の暗記と実務の理解、文章力の強化の3つです。
法令の暗記については説明不要かと思いますが、一言で言えば修行です。
「なぜこんな回りくどい条文なのか?」「実務で関係ないのになぜ暗記しないといけないのか」そんなロジカルシンキングは試験勉強の足かせになります。
1次試験では計算が中心で数理的な思考を求められましたが、2次試験では思考停止で暗記する力も必要になります。
これが理系の我々からするとすこぶるおもんない。おもんなさすぎる。AIに確実に取って代わられるだろって言いたいです笑
また、試験は実務と紐づいているため実務に携わっていないと理解できない部分も多いです。
加えて、2次試験では所見といって1,500字程度で自らの意見を述べる問題がありますが、これは知識をつけて文章力を伸ばすしかありません。
小学校時代、たった200字の作文すら拒絶反応を示していた私にとっては地獄以外のなにものでもありません。。。
まとめると、2次試験はやる気をとことん削がれます。
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忙しくなるとどれほど勉強できなくなるか
2次試験を受験する方の多くは社会人です。
基本的に仕事をしつつ合間を縫って勉強しています。
で、この仕事というものは社会人歴が長くなるとともに責任も大きくなり、労働時間も伸びていく傾向があります。
しかも20代後半になると結婚する方もいるためますます勉強時間が少なくなります。
時間、体力、精神力というリソースは限られているので仕事に吸い取られると勉強なんてできません。
個人的に感じたのは、アクチュアリー試験に合格するという目標をたてても、体力的、精神的に疲れると活力がなくなり勉強なんてどうでもよくなります。
学生の方にお伝えしたいのは、就活する際に平均的な残業時間と在宅勤務が可能がどうかは事前に確認しておいたほうが良いです。
残業が長すぎると勉強どころではなくなります。また、在宅勤務が可能であれば多少残業が長くても勉強時間を確保できます。
いかに法令が意味不明か
法令の理解には非常に時間がかかります。
例として、DB法の第79条の一部を引用します。
事業主等(以下この条において「移転事業主等」という。)は、確定給付企業年金(以下この条において「移転確定給付企業年金」という。)の実施事業所(政令で定める場合にあっては、実施事業所の一部。以下この項において同じ。)が他の確定給付企業年金(以下この条において「承継確定給付企業年金」という。)の実施事業所となっているとき、又は実施事業所となるときは、厚生労働大臣の承認(移転確定給付企業年金が基金型企業年金である場合にあっては、認可。以下この項において同じ。)を受けて、承継確定給付企業年金の事業主等(以下この条において「承継事業主等」という。)に、当該実施事業所に使用される移転確定給付企業年金の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務の移転を申し出ることができる。
は?
ってなります笑
まず、括弧が多すぎて読みづらい。そして「移転」「承継」ってなんだよ。「権利義務」って何だよ。「政令で定める場合」ってなんだよ。・・・・
というようによく分からい単語が出てくるのに加えて詳細な内容は他の法令に定められていることも多く、読み解くのに非常に時間がかかります。
DB法、DB法施行令、DB法施行規則を行ったり来たりしながら内容を理解していく必要があります。
とにかく大変です。
膨大な試験範囲
ある程度法令を暗記したら過去問が少しづつ解けるようになると思います。
ただ、過去問を解いていると、どの資料に答えが記載されているのかわからない問題が出てきます。
そして色々調べると、厚労省のHPの下の方に添付されいているPDFに答えが記載されていたり、「規約例」や「承認認可基準別紙」のようなマイナーな資料に記載されていたりします。要は試験範囲に見境がありません笑
どこまで勉強すればいいのかと途方にくれます。
ただ、このような問題は頻出するわけではなく分からなかったとしても合格できます。
ある程度割り切って、勉強しないことを決めるのも大事だと感じます。
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実際、1次試験と比べて難しいのか
難易度で言えば、難しめの年の年金数理や損保数理と同程度だと思います。とりたてて2次試験が難しいという感覚はありません。
ただ、先程列挙したような2次試験特有の難しさがあるため合格に時間がかかるのだと思います。
合格率が低いからと言って、2科目同時受験を諦める必要はないと思います!
早期合格のために必要なこと
とにかく時間を確保して、来る日も来る日も暗記することです。
1次試験と異なり数学的なセンスでどうにかなるものでもないので、ある意味やれば受かる試験だと思っています。同時に合格の近道もないと思います。
モチベーションの維持が難しですが、私はいろいろ試した結果、壁に前年の不合格通知と「アクチュアリー試験合格」と書いた紙を貼って毎朝読み上げるのが一番効果があったと思います笑
詳細な試験対策については書きたいことが山程あるので別の記事にしようと思います!
最後に
この前、知り合いとご飯に行って面白いことを聞きました。
その人はアクチュアリー業界で転職をしているのですが、「アクチュアリーになると待遇が良い会社」よりも「残業時間が長くアクチュアリーになっても待遇がそこまで上がらない会社」のほうが、アクチュアリー試験の合格実績がいいと言っていました。
一概には言えませんが、「アクチュアリーになって待遇を上げよう」というポジティブなモチベーションよりも「きつすぎるから早くアクチュアリーになって転職しよう」という危機回避的なモチベーションのほうが勉強の継続には適しているのかもしれません笑
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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