こんにちは!めもりです!
今回は学生納付特例を利用した後、追納をすべきか悩んでいる人に向けて書きました。
私は現在、年金アクチュアリー(年金の専門家的なやつ)を目指しており、公的年金や企業年金について勉強中です。
そんなとき、私の家に国民年金追納のはがきが届きました。友人からも「追納ってしたほうがいいの?」と何度か質問を受けたのでいろいろ調べてみました。
そこで、「追納はしなくていいかな」という結論に至ったので、今回はその理由を解説していきます。
そもそも学生納付特例とは?追納とは?
学生納付特例
学生納付特例とは、一定水準以下の収入の学生が、国民年金保険料(働けなくなったときに年金をもらうための保険料)の納付を猶予できる制度のことです。
本来20歳以上の国民は、国民年金保険料を納める義務がありますが「学生のうちは収入が少ないので納付しなくていい」という特例が認められているのです。
多くの場合、20歳になると国民年金加入のはがきが届きます。そのときに学生納付特例の申請をすることで、学生のうちは保険料を払う必要がなくなります。
この学生納付特例は私も利用していました。当時は何をやっているのかさっぱりわかりませんでしたが笑
学生納付特例についてもっと詳しく知りたい方は日本年金機構のHPを参考にしてください。
追納とは
追納は、学生納付特例で猶予した期間の保険料を後から払い込むことです。
典型的なパターンは、23歳になる年に就職した学生が特例を受けていた2年分の保険料を払うといった具合です。2年分の追納だと約40万円です。
この追納を行うことで、老後にもらえる年金額が増えることになります。
はじめにも書きましたが、特例を受けていた人が社会人になると追納のはがきが届きます。追納をする場合はこれに沿って進めていくことになります。
こちらも日本年金機構のHPに詳細が載っているので気になる方は確認してください。
追納すべき?
学生納付特例の場合、わざわざ追納する必要はないかなと思います。
理由は以下の2つです
- 積立NISAやiDeCoを利用して自分で運用したほうがお得
- 若い時と老後のお金の価値は違う
それぞれ解説していきます。
いくつか計算もしていますが、概算なのであくまでも参考程度にご覧ください。
積立NISAやiDeCoの利用
追納の額は社会人になった時の年齢によるので、今回はストレートで大学院を卒業して就職した24歳を例に解説していきます。
4年間特例を利用すると追納の額は80万円程度になります。
ここでポイントになるのは、この4年分の保険料を追納しなかったとして、将来どれくらい年金額が減るのかということです。
ここからは数字が多少出てきますがご容赦ください笑
4年分納付しないと年金額はいくら減る?
現在、国民年金を満額受け取るには20歳から60歳までの40年間保険料を納める必要があります。
国民年金の満額は年間で約80万円です。
ですので4年間分の追納をしなかった場合、受け取る年金額は
80万×(36年/40年)=72万
となり、約8万円年金額が減ることになります。
受け取れる総額はいくら減る?
人生100年時代ですので、100歳まで生きたとします笑
基本的に年金は65歳から支給されるので100歳まで生きるとすると35年間年金を受け取ることになります。ですので
8万×35年=280万円
となり、追納しないと受け取る年金の総額が約280万円減ることになります。
積立NISAやiDeCoを活用すると
次に積立NISAやiDeCoを利用して、上記の追納額80万円を自ら運用した場合を考えてみましょう。
25歳から年金を受け取る65歳までの40年間、年率4%の複利で運用したとします。急に専門用語出してすみません笑
わからなければ結論だけ見てください🙏
65歳時点の額は
80万×(1.04^40)=380万円
になります。
まとめると
今回の前提で計算した場合、自ら運用したほうがプラスになります。
もちろん、年金額や運用がこの仮定通りにいくことはないでしょう。また、所得控除や税金などは話が複雑になるので考慮していません。
ですが、それを踏まえてもこれだけの差が出ることを考えると、追納するなら自ら運用したほうがいいのではないかと思います。
若い時と老後のお金の価値は違う
先程は細かい計算をちまちまとしましたが、今度はほぼ精神論になります笑
若いときはできることが多いので数十年先のことにビクビクせず、どんどんお金使いましょう!!!
老後になってお金があっても、やはり若い時と比べるとできることが限られてきます。特に体力を必要とするアクティビティです。
私は高齢の方とお喋りしていると「若いっていいね〜」なんて言われることが多いです。
その度に「今のうちに多くの経験を積んだほうがいいんだろうなあ」なんて考えています。
ですので「追納したほうがお得!!」とか「若いうちから資産運用!!」といった宣伝に泳がされず、今を充実させてくれるものにもお金を使うことが大切だと思います。
追納しないデメリット
追納しないことのデメリットは先ほど説明した年金額の減少です。国民年金はこの世を去るまで確実にもらえるというのが大きな魅力です。
長生きするほど恩恵を受けることになります。今回は100歳まで生きるという想定をしましたが、110歳とか120歳まで生きるとすれば追納したほうが安心感はあるのかなあと思います。
また、追納の代わりに自分で資産運用をする場合はそれなりの勉強も必要になります。
最低でも積立NISAやiDeCo、確定拠出型企業年金などの制度についてはある程度理解する必要があるでしょう。
そして運用はブレがあるので安心感という意味では、追納して国民年金を受け取るほうがいいかもしれません。
国民年金保険料払う意味なくない?と思ったあなたへ
今回の記事を読んで、「じゃあ自分で運用できれば保険料払わなくていいじゃん」と思った人もいるかも知れません。
ですがそれはおすすめできません。そもそも国民年金への加入は国民の義務なのですが、それは一旦置いといて話を進めます。
国民年金に加入すると受け取れる年金は老後の年金だけではありません。
怪我や病気で働けなくなったときの障害年金、事故などで家族を失った人が受け取る遺族年金があります。(これらは追納しなくても受け取れます)
これらすべてを民間の保険でまかなおうとすると高額の保険料を払う必要があります。
つまり国民年金は超コスパのいい保険になっているのです。
最後に
いかがだったでしょうか。ところどころ話が脱線するところもありましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました!
繰り返しになりますが、今回行った計算はあくまでも概算なので参考程度でお願いします🙏
最後に、お金のことを学ぶのにおすすめの本を紹介します!
国民年金や資産運用について勉強してみたいという人はまずこの本から読むといいと思います。
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