今回は鈴木裕さんが書かれた、”科学的な適職”のレビューを書きたいと思います。
多くの人が引っ掛かるクイズ
この本の一節にこのようなクイズがあります。
ある父子が自動車事故にあってしまい、父は近所の病院に送られ、息子は別の病院に送られました。幸いにも、その病院には天才と名高い院長がおり、その院長がじきじきに息子を処置してくれることになりました。
No1715
しかし、病室に運ばれてきた息子を見て、院長は即座に言いました。「私には彼を手術することができません。彼は私の息子なので失敗が怖いのです。」どういうことでしょうか。
この文章を読んで皆さんはどう考えましたか?
私は「事故にあった父親は実の父ではないのか?」と考えました。
しかしこれはそんな複雑な話ではないのです。
この院長がその息子の母親だったのです。
このように我々は知らず知らずのうちに「院長は男性である」という偏見や錯覚をしてしまうのです。
身近な人にこのクイズを出しましたが、今のところ答えがわかった人は一人もいません。
科学的な適職の内容
主に次のことが書かれています。
仕事の幸福度を上げる方法7つ
幸福度を下げる仕事の特徴2つ
客観的な分析の方法4つ
仕事の満足度を測る質問約80問
先に私が述べたのは客観的な分析の方法に書いてあった一節です。
同じようにこの本を読むと我々が正しいと思っていたことがそうではないということに気付かされます。
例えば
好きを仕事にしても幸福度は上がらない
No331
給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とはほぼ関係がない
No423
といったことです。
この本ではこれらの事実が科学的な根拠に基づいて説明されており、非常に納得できるものになっているので、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけになると思います。
私も読んでみてはっとさせられる部分がいくつもありました。
また最後の章には仕事の幸福を判断する質問64問や仕事の振り返りを行うための質問21問が用意されています。
実際に手を動かしてこれらを実践することで、自分が置かれている環境や行なっている業務について客観的に分析することができ、自分の価値観や求めている仕事が分かってくると思います。
感想
私はこの本が適職を見つけるということにとどまらず、どうすれば正しい選択ができるのか、どうすれば幸せな生活が送れるのかのヒントを与えてくれる一冊だと感じました。
自分がこれまで狭い視野しか持っていなかったこと、偏見や錯覚に陥っていたことを痛感しました。
これからは、偏見や錯覚といった”バイアス”を持っているということを自覚したうえで、それをできる限り無くすために振り返りや他人からのフィードバックに耳を傾けていきたいと思います。
まとめ
今回は科学的な適職について紹介しました。
なんといってもこの本は科学的な根拠をもとに話が進んでいくので、とても説得力がある内容となっています。
転職を考えている人だけでなく、これから就職する人や何か決断に迷っている人の参考にもなると思います。
たくさんの気づきが得られる本なので興味のある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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